2023年10月27日より、カイカイキキギャラリーではナカザワショーコによる個展「Harmony」を開催いたします。
グラフィックデザイナーやイラストレーターとしてキャリアを開始し、インディーズソフビ怪獣の制作で根強いファンを生んできたナカザワ。
2021年3月、パンデミックでの真っ只中にカイカイキキギャラリーで開催された、村上隆のキュレーション展 「Healing x Healing」のために、初めて油絵2点を制作・発表し、国内外のコレクターから注目を浴び始めました。 同年9月には、中野・Hidari Zingaroでの展覧会で油絵11点を発表。カスタムしたソフビなどとともに展示して、大盛況のうちに閉幕し、以後集中的に絵画制作に着手するようになりました。
2022年からは東京近郊に絵画制作のためのアトリエも設立。9月には中野・Hidari Zingaroで初のアート作品の個展「陰日向 ‒ カゲヒナタ」を開催するなど、展覧会を重ねて新作を次々に発表しています。 また、国内での展覧会のみならず、アートバーゼル香港や台北ダンダイ、そしてニューヨークで開催されたThe Armory Showなど、世界各地のアートフェアでもカイカイキキギャラリーのブースから作品を出展。アイコニックな キャラクターが愛らしい作品は、アジアを中心に大人気となり、各国のコレクターの元に作品が渡っていっております。
今回はついにカイカイキキギャラリーでの大型個展の開催です。新作絵画20点以上もの作品を制作し、その中にはギャラリーの空間に合わせた高さ3m・幅6m、パネル6枚を組み上げて完成する大作も含まれる予定とのこと。作家オリジナルのアイコニックな怪獣バイロンやシードラス、そして作家の内面を投影したような少女が登場する新作ペインティングシリーズを発表いたします。皆様のご来廊を心よりお待ちしております。
作家からのメッセージ
私の一日は、毎朝神棚のお水とお米を替えて柏手を打つことから始まります。
今日も良い仕事が出来ますように
今日も正しく生きられますように
そして、
離れて暮らす娘が今日も無事に楽しく過ごせますように。
現在、二十歳になる一人娘は、長年の夢だった語学を学ぶ 為に台湾の大学へ留学しています。時折LINEに送られてくる楽しそうな日常、大学で出来た友人や、彼らと囲む美味しそうなランチの写真を見るたびに、この他愛もなく、かけがえのない時間がずっと続きますように、と切実に願うのです。
“決して、これ以上戦争など起きませんように” と。
私達は今、本当に大きな局面を迎えています。世界情勢、地球環境、AIシンギュラリティ、戦争と核の脅威。 地球と人間のこれからは、今この瞬間の私達の生き方にかかっているのだと自覚しなくてはならないのに、何が出来るわけでもなく、ただぼんやりした不安をかき消すように、私達は今日も誰かの作った映像を画面ごしに眺めているだけの、非現実の世界に浸っています。
真理と芸術、哲学とアートは本当によく似ていると絵を描きながら思うのです。この世界が本当に色即是空の世であるならば、絵を描くことしか出来ない私は、美しい世界を願う思いを伝えていくことで、少しでも変わればいいなと願うのです。
私達は多種多様な生物の棲むこの美しい地球に住まわせてもらっている一つの生物にすぎず、皆全てが繋がっているのですから。
私の描く代表的な怪獣のバイロンは、綺麗な水に棲むオオサンショウウオの精霊です。少女と怪獣や生物達との小さな物語、ご高覧いただけたら幸いです。