國吉清尚オマージュ展

カイカイキキギャラリー
2024.08.24 - 2024.08.25
Photo: Ryo Azuma ©︎Naoki Wada / Yuji Toma / Masaya Kondo / Ryo Azuma / Yukiharu Kumagai / Seisho Kuniyoshi

参加作家:当真裕爾、近藤正也、東亨、和田直樹、熊谷幸治

カイカイキキギャラリーでは、2024年8月24日(土)、25日(日)の2日間で「國吉清尚オマージュ展」を開催いたします。

本展覧会は、カイカイキキギャラリーがこれまでに開催してきた「土友の墓場展」(2023年8月)や「東京の土 土友展」(2024年4月)に続く、陶芸の展示です。

そもそも、この一連の展覧会のきっかけは、カイカイキキギャラリーのオーナーである村上隆と、沖縄の陶芸家・当真裕爾さんの出会いにありました。村上が2020年10月に京都の陶芸画商・トノトさんの展覧会で当真さんの作品に出会い、2021年5月には、当真さんが参加していた「大土友展」を訪問。そこで、当真さん本人と初めて対面しつつ、土友の中心メンバーである和田直樹さん、そして芳賀龍一さん、近藤正也さんにも出会いました。2022年6月には、和田さんと芳賀さんの二人展が沖縄で開催されるということで、村上も沖縄を訪問。そこで各人のルーツを掘り起こす過程で、和田さんや当真さんお2人の一つの創造的な起源が國吉清尚さんにあるということ、そもそも和田さんが当真さんの作品を知ったきっかけが國吉清尚さんの作品であることなどがわかり、村上自身も初めて國吉清尚さんの存在に初めてたどり着きました。

そうして、 「土友」の中心人物の一人で、自身も和歌山を拠点にしながら全国47都道府県の土を掘って、それで制作するというプロジェクトを、毎度同志を受け入れながら各地の陶芸家たちと共に活動するなど、常にムーブメントの中心的存在にもなっている和田直樹さんが今回の「國吉清尚」に関する企画を発案。自身と同様に國吉さんをルーツに持つ作家たちを誘い合わせて、それぞれが國吉清尚さんへの思いを元に制作をして、実現する運びとなりました。

展覧会に参加するのは、和田直樹さん、当真裕爾さん、近藤正也さん、東亨さん、熊谷幸治さんの5人です。

さらに、和田さんが各所に働きかけて集めた國吉清尚さんの作品や生前の写真、資料なども展示予定です。ぜひご高覧ください。


(左上から)和田直樹さん、当真裕爾さん、近藤正也さん(左下から)和田直樹さん、東亨さん、熊谷幸治さん
(左上から)和田直樹さん、当真裕爾さん、近藤正也さん(左下から)和田直樹さん、東亨さん、熊谷幸治さん

作家からのメッセージ

國吉清尚さんは、沖縄出身の陶芸家です。1943年に生まれ、壺屋や益子で修行した後、沖縄の地で真っ正面からやきものと向き合い続け1999年、自らをレンガで囲み灯油をかけ焼死、55 歳でこの世を去りました。國吉さんの焼き物に初めて出会った時に感じたのは、「なんてやさしく魅力的なやきものなんだろう!?」、「こんなやきものを作ることが出来るんだ!!」という驚きでした。それは今まで抱いていたやきものの良さとは、全くの別次元のものでした。まるで、作品が生きているように感じます。國吉さん自身と作品がいっしょというか、引っ付いているというか‥。生き物(人間)の持つ気配、情念的なものが入っているように感じます。激しさや闇、怖さや静けさ、生死などを包括した恐ろしいくらいの極上の“やさしさ”を間違いなく感じます。なぜだかは、分かりません。一体どういうことなんでしょうか?

そんな國吉さんへの思いを、同じ陶芸家として表現できる「國吉清尚オマージュ展」という機会を与えていただきました、村上隆さんはじめKKGスタッフの皆さん、そして、今展開催にあたり快く賛同、協力していただきました関係者各位の皆さん、本当にありがとうございます。

同じ思いを持った当真さん、近藤さん、東さん、熊谷さん、和田の五人で全力で國吉清尚さんにぶつかって行きたいと思います。またこの機会に、國吉作品を実見してみてください。あなたにとって、素晴らしい気づきとなるはずです!

和田直樹


國吉清尚さんについて

1943年9月28日首里城南殿生まれ。1999年5月10日、55歳で逝去。

高校時代から空手と古陶の収集に没頭し、高校卒業後の1963年頃から那覇市の壺屋で本格的な陶芸の修行をスタート。1966年には栃木県の益子でさらに深い修行を積み、1968年に沖縄に戻って、読谷村(よみたんそん/沖縄本島中部)に自らの窯(ヒメハブ窯)を開き、1999年に55歳で自ら命を絶つ直前まで、精力的に個展を開催し続けた。

Photo: 鈴木弘仁
Photo: 鈴木弘仁
提供: 国吉真由美
提供: 国吉真由美

以下は本展の発案者である和田直樹さんの元に集まった、國吉清尚さんの作品です。

会期中はギャラリーにも展示予定です。


参加作家プロフィール

和田直樹 わだ なおき

1981年和歌山県生まれ。2009年に三星善業氏に師事し、陶芸の技術を学ぶ。2012年には高野町平原に窯を築き、焼き物づくりを本格的に開始。紀伊半島の土、石、木を使い、複数の薪窯で焼き物を制作している。「土友」の中心的人物の一人で、さらに2023年からは全国47都道府県の土地を周り、それぞれの土石で焼き物を作る「ココホレ展」をライフワークの一つとして取り組む。

Photo: kimatachikawa
Photo: kimatachikawa

当真裕爾 とうま ゆうじ

1986年沖縄県具志川市(現在うるま市)生まれ。高校3年生から陶芸家・シーサー造り名人の叔父の手伝いを初め、造形の技術を学ぶ。2008年に第60回沖展で浦添市長賞を受賞、2017年には動きと迫力のある陶芸作品「風神雷神」で第69回沖展沖展賞を受賞。

現在は沖縄市古謝に在住し、窯を構える。2024年10月にはカイカイキキギャラリーで個展を開催予定。

Photo: reiko mitake
Photo: reiko mitake

近藤正也 こんどう まさや

1995年岡山県生まれ。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科で陶磁を専攻。大学在学中には土器作家の熊谷幸治氏の下で陶芸を学ぶ。

卒業後は制作の拠点を地元・岡⼭県苫田郡の⼭間の村に戻り、祖父母と共に生活しながら作品制作に励んでいる。

Photo: Chiaki Kasahara
Photo: Chiaki Kasahara

東亨 あずま りょう

1988年三重県生まれ。2011年に大阪芸術大学金属工芸コースを修了し、同年から2014年まで同大学で助手を務める。

現在は大阪府堺市に在住、2015年からは社会福祉法人に勤務しながら、近隣の公園や河原で見つけた銅板やブリキ、鉄などの漂流物を素材としてオブジェを制作している。

Photo: Chiaki Kasahara
Photo: Chiaki Kasahara

熊谷幸治 くまがい ゆきはる

1978年神奈川県生まれ。武蔵野美術大学工業デザイン陶磁科に進学後、在学中に訪れた郷土資料館で縄文土器を見て感銘を受け、土器づくりを始める。2003年卒業後は日本で数少ない土器作家として独立。拠点を東京から山梨県上野原市に移し、土器や土面、土偶、オブジェなどの制作を手がける。

Photo: Chiaki Kasahara
Photo: Chiaki Kasahara

開催概要

展覧会名:「國吉清尚オマージュ展」

日程:2024年8月24日(土)、25日(日)
開廊時間:11:00〜19:00
場所:カイカイキキギャラリー
〒106-0046
東京都港区元麻布2丁目3−30 クレストビル 地下1階

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